1年ぶり海外派遣の柔道代表 特例停止で帰国後2週間隔離へ、通院できず治療に支障も?

 全日本柔道連盟の金野潤強化委員長は15日、オンラインで取材に応じ、日本勢として約1年ぶりの海外派遣となったマスターズ大会(ドーハ)を総括した。新型コロナウイルス感染再拡大で厳戒態勢の中、五輪代表ら9人が出場。「現時点での状況や課題をつかむことが一番の意義。その意味では達成できた」と話しつつ、「安全に全てを終えることが大事。最終的には全員が帰国して隔離期間を終えることがミッション」と気を引き締めた。

 五輪、世界選手権に次ぐ格付けのマスターズ大会は、五輪のシード権につながる獲得ポイントが高く、前哨戦として海外の有力選手が多く出てくることを踏まえ、昨年2月より国際大会から遠ざかっている日本としては派遣を断行した。出発前や現地で複数回PCR検査を受け、現時点では全て陰性だという。

 ただ、出発後に国内では首都圏などで緊急事態宣言が出され、帰国後2週間の隔離期間のスポーツ選手に対する特例的免除(アスリートトラック)も停止される。金野委員長は「選手たちには、いつ隔離が2週間になるかもわからないと話をした上で(出場の)希望を取っていた。対応できている」と想定内だと強調し、「規定はしっかり厳守したい。2週間は完全に隔離する。国が決めたことには必ず沿っていきたい」と話した。

 一方、今回の試合中に負傷した原沢久喜(百五銀行)、浜田尚里(自衛隊)の状況について「まだドクターの診断を受けていないが、現地からの情報の中では深刻なものではないという印象。何カ月も治療するようなけがではないと考えている」と金野氏。ただ、帰国後2週間は通院できない見込みといい、「(連盟の)医科学委員会に(対応を)お願いしている。普通に通院はできないと思うので、ドクターと相談しながら、(政府の)規定を読みながらできる範囲で治療していきたい」と説明した。

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