柔道五輪代表・原沢久喜の負傷箇所は脇腹…井上監督「大事には至ってない」
柔道男子日本代表の井上康生監督が16日、マスターズ大会(ドーハ)から帰国し、オンラインで取材に応じた。約1年ぶりの国際大会出場で、13日の試合中に負傷した男子100キロ級東京五輪代表の原沢久喜(28)=百五銀行=の状況について説明。負傷箇所は「脇腹、ろく軟骨のあたり」と明かした上で、「大事には至ってないと思う。詳細はドクターに診断してもらった上で、1日でも早く回復させて現場復帰できるようにしたい」と話した。
原沢は初戦の2回戦でヤキフ・ハンモ(ウクライナ)と対戦した際、強引な小外掛けを受けて右肩付近から強く落下。そのまま抑え込まれたが、顔をゆがめて自ら「参った」をした。試合後は立ち上がれず、医療チームによって担架で運ばれていた。
負傷箇所は強打した右肩ではなく、脇腹と判明。井上監督は「試合後に痛みはあったし、活動も制限はあるが、自力で行動はできる。大事には至ってないのでは」との認識を示した。今後は新型コロナウイルス対策で帰国後2週間の自主隔離期間に入るため、通院はできないが、井上監督は「限られた環境でしっかり回復できるようにドクターと話をして進めていく」と話した。
原沢は全柔連を通じてコメントを発表し、「ケガをしてしまったが、それ以前に自分のいいところが出せず、多くの課題が残る大会となった。1年ぶりの試合で、練習と試合の違いを改めて感じた」と振り返った。大会では五輪2連覇のテディ・リネール(フランス)が圧倒的な強さを見せて優勝しており、「リネール選手が復調してきていると感じた。それだけに戦いたかった」と残念がった。五輪本番まで半年だが、「まずはケガを治し、次の大会に向けてしっかりと準備をしていきたい」とした。