海外メディアで東京五輪中止論相次ぐ 米NYタイムズ紙「見通し暗くなってきた」

 新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からない中、1年延期され2021年7月に開幕予定の東京五輪にも暗雲が漂っている。年明けから海外メディアも悲観的な論調が相次いでおり、15日の米ブルームバーグ通信は「東京2020五輪がまだ確実ではない理由」と題し、「第二次世界大戦以来、最初の中止となる可能性がある」と報じた。

 中止となる理由に3点を挙げ「1つは依然として猛威をふるうパンデミック」「2つ目は日本政府が1月に大都市圏で緊急事態宣言を出しており、日本で依然として感染が高く推移していること」、そして最後の理由を「開催国のサポートの喪失です」とし、NHKの世論調査で開催支持が16%しかなかったことを指摘した。

 同日の米「ニューヨーク・タイムズ」紙も「見通しは暗くなってきた」と報じ、中止の可能性にも言及。「東京五輪の計画は日ごとに不確実になっている。東京と国際オリンピック委員会双方の当局者は、安全な大会を開催することは不可能である可能性があることを認め始めている」とし、「これは五輪準備のために120億ドル以上を費やし、さらに延期で数十億ドルを費やしてきた五輪組織と日本にとって大きな財政的打撃になる」と報じた。

 否定的な国内世論にも触れ、IOCなどが期待するワクチンについても、同紙は「ワクチンの展開は予想よりも遅く、人類の多くはこの夏までにワクチン接種を受けないままになる」と指摘した。

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