「卓球・全日本選手権」（１７日、丸善インテックアリーナ大阪）

　女子シングルス決勝が行われ、ともに東京五輪代表の石川佳純（２７）＝全農＝と伊藤美誠（２０）＝スターツ＝が対戦。石川が４－３でフルゲームを制し、１６年大会以来５年ぶり５度目の優勝を果たした。５年のブランクを経ての返り咲きは、女子では史上最長記録。５度目の優勝は女子では歴代３位タイとなった。

　石川が勝負強さを発揮して劇的な逆転勝ちを見せた。１－３と後がなくなったが、台上技術をうまく使いながらペースを握り、ラリーから鋭くコースを突いて得点を重ねて３－３に追いついた。

　最終ゲームは９－５とリードしながらも、ミスを重ねて９－９まで追いつかれた。「あ～１点獲れない。緊張しちゃって。優勝から遠のいていたし、９－９なったときは心臓が飛び出そうになった」。ただ、相手も同じ。百戦錬磨の２７歳は「お互い緊張しているし、心の勝負だと。勇気を出した」と開き直って強気にフォアハンドを打ち抜き、２点を連取して強敵を撃破した。

　ここまでも台頭する若手を退けて、５年ぶりの返り咲き。コート上でのインタビューでは涙ぐんだ。「久しぶりのチャンピオンうれしいです。たくさんの人に感謝したい。恥ずかしくないように、五輪までしっかり準備して最高のプレーができるようにしたいです」と話した。