田中希実が1万mで自己ベスト逆転V 五輪参加標準記録見えた!異例の2種目出場も

 「京都女子駅伝・中長距離競技会」(17日、たけびしスタジアム京都)

 中止となった全国都道府県対抗女子駅伝の代替大会として無観客で行われた。女子1万メートルでは、5000メートルで東京五輪代表に決まっている田中希実(21)=豊田自動織機TC=が31分59秒89の自己ベストで優勝。五輪選考がかかる2021年5月3日の日本選手権長距離種目(静岡)の参加標準記録(32分25秒00)を突破した。

 自身2度目の1万メートル。「踏ん張りどころがよくわからなかった」と未知の領域を走っていた田中は、残り3000メートルでギアチェンジした。トップを独走していた安藤友香(ワコール)との差を2番手から徐々につめ、ラスト1周で逆転した。

 「いいスタートが切れたけど、安心して調子を落としては意味がない。春からのトラックシーズンまで地力をつけていきたい」。常に先を見据える未完の大器は、1万メートルでの日本選手権への出場権とともに東京五輪参加標準記録(31分25秒00)も視界に捉えた。日本記録を持つ1500メートルも五輪参加標準が目前で「日本人で、1500メートルで五輪に出た選手はいないので」と強い思い入れを持つ。

 父の健智コーチ(50)によると、五輪の日程的に1500メートルと5000メートルの組み合わせは困難だが、1万メートルと5000メートル、1万メートルと1500メートルの2種目出場は可能だという。3種目で出場権を得られれば、1500メートルとの2種目を選択するという異例の出場もある。

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