伊藤美誠ぼう然…あと1ゲームから悪夢準V「これが現実」2戦連続フルゲームで力尽く

 決勝戦で石川佳純に敗れ、涙を拭く伊藤美誠(撮影・高部洋祐)
 フルゲームの大熱戦の末、石川佳純(手前)に敗れた伊藤美誠
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 「卓球・全日本選手権」(17日、丸善インテックアリーナ大阪)

 東京五輪代表同士の決勝となった女子シングルスで、2年ぶりの優勝を狙った伊藤美誠(20)=スターツ=は石川佳純(27)=全農=にフルゲームの末、3-4で敗れた。前回女王の早田ひな(20)=日本生命=は準々決勝で伊藤に3-4で惜敗した。

 優勝を逃すと、ショックでしばらくぼう然とした。「夢なんじゃないか」。伊藤はゲームカウントで3-1とリードしたのに、大逆転を許した。「何やってるんだろうと自分に笑っちゃった。全部試合が終わって、こういう負けで、『無』という感じ。これが現実なんだとかみしめた」。放心状態でベンチに戻り、「立てる状態じゃなかった」と長く動かなかった。

 対中国勢を見据え、持ち味の速攻だけでなく、最近はラリーでも得点できるように強化してきた。序盤は奏功していたものの、高いラリー力を誇る第一人者に徐々にのまれた。「前半ぽんぽんぽんと点を取って。良かったからこそ、そのままいってしまった」。石川の粘り強さの前に「私より一歩上」と苦闘。最終第7ゲームでは5-9から9-9まで追い上げも見せたが、最後は石川の2連続ポイントで幕が切れた。

 蓄積した疲労もあった。準決勝ではダブルスでペアを組む盟友・早田ひなとフルゲーム。死闘続きで「(力を)振り絞ってはいた」が、実力を出し切れなかった。「その状態でも勝っていかないといけない」。今の自分に足りない部分だと言い聞かせた。

 五輪イヤーでの日本一の称号は手にできなかったが、「これから海外の試合になる。全日本で得たものを出していければ」と懸命に前を向く。「実力や自信をつけて、誰にでも勝てる選手になりたい」。五輪までにたくましくなってみせる。

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