全豪テニスの混乱に五輪への懸念 米CNN「東京が直面する困難のプレビュー」
2月に開幕するテニス・全豪オープン(メルボルン)を前に、入国の際に搭乗したチャーター機で新型コロナウイルスの陽性者が出たため、同乗した選手たちが14日間の隔離を余儀なくされ不満が噴出している問題で、海外メディアからは半年後の東京五輪でもさらなる混乱が起こることを不安視する指摘が出てきた。
全豪オープンでは約1200人の選手、スタッフ、メディアがオーストラリア入りする予定で、現在、同乗者に陽性が出たため厳しい隔離措置がとられている選手は72人に及ぶ。ホテルの部屋からの外出は許されず、練習ができず、食事も自由に取れないため、選手からは不満が噴出。一方で厳しい措置で感染者数を抑え込んできたオーストラリア国民からは不満や緩和を求める選手たちへ厳しい批判がとんでおり、大きな問題となっている。
AP通信は19日、開催が不透明な状況となっている東京五輪についてのまとめ記事で、全豪オープンの事象にも言及。「全豪オープンでの問題について、IOCは何を学べるか」と題し、「数学的にいえば、五輪、パラリンピックでは1万5400人の選手が参加します。そして、何万ものスタッフ、関係者、審判、メディア、放送局、そして数十の会場。アスリートは必ず影響を受け、何年にも及ぶ練習の成果を危険にさらす」と、指摘した。
また米CNNは「全豪オープンの混乱が東京五輪に疑問を投げかける」と題し「全豪オープンをめぐる検疫論争はパンデミックの最中に行われる大規模な国際スポーツイベントの可能性に疑問を投げかけ、この夏の東京五輪が直面する困難のプレビューを提供する可能性がある」と、報じた。