正代がかど番脱出「これでひと息付ける」 トップとピタリ1差!逆転V2へ“全集中”

 遠藤(左)を突き落としで下し、2敗を守った正代
 防戦一方から執念の突き落とし
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 「大相撲初場所・10日目」(19日、両国国技館)

 大関正代が遠藤の攻めをしのぎ切り、執念の突き落としで勝ち越しを決め、かど番を脱出した。逆転V2へ2敗を守って、トップをピタリ1差で追走。大関貴景勝が左足首負傷で10日目から休場した中、出場最上位の意地にかけ、終盤戦を引っ張る。

 物言いの末、軍配通り勝ち名乗りを受けた瞬間、正代の全身から力が抜けた。緊張の解けた顔は放心状態。小走りで引き揚げた花道で兄弟子の井筒親方(元関脇豊ノ島)に「ありがとうございます」と、勝ち越しを笑顔で報告した。

 相撲巧者の遠藤に防戦一方だった。左四つに組まれ、左からすくうも残されて、さらに窮地。土俵際、右から執念の突き落としがさく裂し、ヒヤヒヤの逆転星をもぎ取った。

 1学年上の遠藤も自身も学生相撲のエリート。「余裕はなかった。最後まであきらめなかったことが勝ちにつながった」と胸を張った。まずノルマとしたかど番脱出を果たし「これでひと息付ける」と心から安どした。

 重圧から解放され、1差で追う上のみに照準はピタリ。「残り全部勝てるよう集中し直す」と気合を入れた。

 コロナ禍の正月は故郷熊本に帰省せず初めて東京で巣ごもり。年末年始も稽古場に下りトレーニングを続けた。元日は宅配の「ウーバーイーツ」で牛丼特盛り2杯を注文。モ~烈に食らって、丑(うし)年の幕を開けた。

 正代と言えばアニメファンで大ヒット映画「鬼滅の刃」も大好き。同作では9人の「柱」と呼ばれるリーダーがいる。理想のリーダー像として無口なキャラの「水柱」冨岡義勇を挙げた。「行動で尊敬される。そういうのになりたい」と背中で引っ張る男になる。

 両横綱不在で綱とりだった貴景勝まで休場した緊急事態場所。「(星を)落とさないようにやっていくだけ」。頼れる「柱」が“全集中”で2場所ぶりV2へ突っ走る。

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