19歳・佐藤翔馬2冠 世界歴代4位!日本新まで0秒11「うわ~複雑」
「競泳・北島康介杯」(24日、東京辰巳国際水泳場)
男子200メートル平泳ぎ決勝で、19歳の佐藤翔馬(東京SC)が自己ベストとなる2分6秒78で優勝し、100メートルとの2冠を達成した。渡辺一平(トヨタ自動車)が持つ日本記録まで0秒11に迫る、世界歴代4位の好タイムだった。同200メートル個人メドレーは萩野公介(26)=ブリヂストン=が1分58秒62で制し、400メートルとの個人メドレー2冠を果たした。
大差でフィニッシュし電光掲示板を確認すると、思わず天を仰いだ。しかし、佐藤のその表情は、どこか満足げでもあった。
「『うわ~』って。複雑な気持ちです。6秒台が初めて出てうれしい半面、日本新まで0・1秒だったので悔しいのもある」
日本記録2分6秒67まで0秒11。世界記録2分6秒12まで0秒66。史上5人目の2分6秒台。世界歴代4位の好タイム。まさに快挙だ。それでも全力で喜べないのは、世界の頂点がもう間近に迫っているという手応えがあるからこそだろう。
そもそも、ほぼ調整せず臨んだ今レースの目標は2分7秒台。「正直6秒台が出ると思っていなかった」と振り返ったように想定以上の結果だった。冬場は泳ぎ込みを繰り返し、課題としていた最後の50メートルを強化。「思っている以上に成長しているなという感じ」と笑顔でうなずいた。
レース後は所属クラブの先輩でもある北島康介氏(38)から「まだ上がるんじゃない?」と声を掛けられたという。ライバルの渡辺は次戦ジャパンオープン(2月4日開幕、東京アクアティクスセンター)で2分6秒台、代表選考会を兼ねた4月の日本選手権で5秒台を目指すとしている。「ついていけるように。僕は自分の泳ぎをしっかり出したい」。背中を追いながらも、より高みを目指す。