レスリング協会、公金不正流用問題で高田専務理事を降格「率先して返金したい」

 日本レスリング協会は27日、オンラインで臨時理事会を開催した。公金から日本代表コーチに支払われる報酬の一部を不適切に寄付させて流用していた問題の責任を巡り、当時強化責任者だった高田裕司氏(66)について、専務理事および副会長から理事への降格処分を決定した。

 この日は公金不適切流用問題に際して、返金方法や再発防止策、役員の処遇など責任の所在について議論。前回18日の理事会では、責任の所在を巡って福田富昭会長ら全役員が退任するべきという意見も出たが、当時の強化責任者として主導的な立場にあった高田氏の役職を解くことで結論に至った。

 その上で、日本オリンピック委員会(JOC)などに対する返金に向けては、全理事から任意で寄付金を募り原資に充てることも決定。また、再発防止策として、公金の取り扱いに関する法的な講習会を制度化するほか、寄付金の取り扱いについての規定を明文化する。

 顧問弁護士の木村晃一氏は「一連の行為に関して、強化本部長として主導的な役割を果たしたのが高田氏。協会として総合的に勘案して役職を解くと決定した」と説明し、高田氏からは「ご迷惑をかけた自分が率先して返金したい」とコメントがあったことを報告した。

 この問題は、2010年から3年ほどの間、当時の強化責任者が、助成を受けたコーチ16人から1400万円弱の寄付金を募り、記念品の購入や飲食代など本来の目的とは異なる使途に充てていたというもの。告発を受けていた日本協会は調査を経て、昨年12月、JOCに報告書を提出していた。

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