ビル・ゲイツ氏、東京五輪開催の鍵はワクチン 供給態勢の進展次第で「可能性はある」

 米IT大手マイクロソフト創業者で発展途上国の感染症対策に取り組むビル・ゲイツ氏(65)は26日、共同通信の単独電話インタビューに応じ、東京五輪・パラリンピックの今夏開催は新型コロナウイルス感染症ワクチンの供給態勢の整備が鍵を握っているとの考えを示した。今後2、3カ月の推移次第としながら、夏の五輪開催について「可能性はある」と述べた。

 ゲイツ氏は妻とともに2000年に設立した慈善団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」で医療品の生産、調達や治療法の開発支援など新型コロナ対策に17億5千万ドル(約1800億円)を拠出。ワクチン普及にも取り組んでいる。

 「私たちはワクチンが承認され、世界中に普及するのを後押しできるよう全力を尽くしている」

 途上国を中心に英アストラゼネカや米ジョンソン・エンド・ジョンソン、ノババックスのワクチン普及が進むかどうかがコロナ収束を左右するとし、ここ1、2カ月で「世界的なワクチン供給に向けたより明確な全体像が見えるだろう」と語った。

 コロナ禍で開催が不透明な状況になっている東京五輪・パラリンピックに対しては、ワクチンの供給態勢の整備が鍵を握っているとの考えを示した。安価で大量供給が可能なワクチンの承認手続きなど「今後2、3カ月の進展を見極める必要がある」とした上で、夏の五輪開催について「うまくいけば可能性はある」と述べた。

 ゲイツ氏は12日に菅義偉首相と電話会談しており、同席者によると五輪開催は新型コロナ克服に向け「世界に大きなメッセージになる」と語っていた。

 一方で富裕国は今後6~8カ月でワクチンが広く行き渡るのに対し、途上国はさらに半年から1年を要するとの見通しに言及。同財団は国際的な格差に懸念を表明した。WHO(世界保健機構)も25日に、五輪選手へのワクチンの優先接種に否定的な見解を示している。公平公正なワクチン供給は果たして進むのか。課題は決して少なくない。

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