正代 命日迎え恩人に感謝「当時は口うるさく…」も今にして思う「とても大事だった」
大相撲の大関正代(29)=時津風=が1日、恩人である兄弟子、元小結時天空の先代間垣親方への感謝の思いを語った。2017年1月31日、悪性リンパ腫のため亡くなり、前日が命日だった。
「僕は胸を出していただいた回数が多かった。とても残念に思います。胸を出してもらった経験、今の相撲にも生きているんじゃないかなと思っています」。
命日を初の大関で迎えたことは恩返し。「そう思いたい。基本的にとても厳しい方で。すごい天空関中心に部屋も回っていたところもあるんじゃないかなと思いますし。厳しかったですね。その当時は口うるさく感じたが、今、関取になると、ああそうだったんだなと感じています」と、教えを胸に刻む。
東農大の先輩でもあり、付け人も半年務めた。特に言われたのが私生活の面。「掃除とか。そういうところですね。当たり前のことなんですけど。そういうので、関取になって、付け人が付いた時に、初めて『ああ、こういう気持ちだったんだな』と感じた。結局、付け人からしたらうるさく感じたと思うが、今後の力士生活に必要な礼儀だったり、仕事だったり、とても大事だったのではないかなとも思う」と、今になって分かることがある。
病気と闘う姿は今も忘れられない。「天空関が病気と戦っているところを見て、自分たちも天空関に教えてもらった者として、成績を残そうというか、守ろうという気持ちは、自分も含めてほか(の力士)もなったと思う」言う。
優しい言葉をかけられたことはあまりなかった。十両を決めた時、『おめでとう』と、声をかけられたくらい。それでも、2人で過ごした時間は大事だった。「今、思い返せば、そうですね」と、しみじみと思いを込めた。