ボクシング、異例のプロアマ対決実現へ 五輪代表3選手「LEGEND」参戦
アマチュアを統括する日本ボクシング連盟は2日、プロの現役世界王者らがエキシビションで参加するチャリティーボクシングイベント「LEGEND」(11日、東京・代々木第一体育館)に東京五輪男子代表3選手が出場すると表明した。ライト級の成松大介(31)=自衛隊、ウエルター級の岡沢セオン(25)=鹿児島県体協、ミドル級の森脇唯人(24)=自衛隊=がオンラインで会見した。観客を前にしたリングでプロとアマのボクサーが拳を合わせる異例の“対戦”となる。
プロとアマのトップがしのぎを削る。スパーリングとはいえ、観客を前にした異例の“対決”は、コロナ禍の影響が大きい。日本連盟の内田貞信会長は、日本代表が約1年試合から遠ざかっているため「緊張感のある場がなかった。貴重な舞台を与えたい」とアマ側から参加を申し入れたことを明かした。3選手は無報酬で、同連盟ではアマ規則に問題ないと判断したという。
「LEGEND」には、WBA・IBF統一バンタム級王者の井上尚弥(大橋)、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志氏ら新旧の世界王者が参戦予定。対戦カードは未発表だ。
プロとアマはマラソンと短距離走にたとえられるほど競技性の違いがあり、アマはプロへのライバル心もある。岡沢は「プロにないアマのテンポやスピードボクシングを見ていただきたい。医療従事者、コロナで大変な思いをされている方に勇気を与えられたら」と言い「有名で強い選手とやらせていただきたい」と腕をぶす。森脇は「大きな大会は雰囲気に飲まれることがある。五輪前に雰囲気を味わえる」と喜んだ。
かつては練習での交流にも高い壁があったプロとアマだが、近年はスパーリングも活発に行われ、元プロのアマ申請も認められている。「(プロとの実戦練習を)生かせることは間違いない」と成松。壁を超えた“一戦”が、五輪への試金石になる。