瀬戸大也が出直しV 不倫問題で活動停止明け…支えてくれた人へ「金メダル届けたい」

 「競泳・ジャパンオープン」(4日、東京アクアティクスセンター)

 男子400メートル個人メドレー決勝が行われ、不倫問題で2020年末まで活動停止処分を受けていた瀬戸大也(26)=TEAM DAIYA=が4分12秒57で優勝した。20年9月の埼玉屋外AG大会以来144日ぶりに実戦復帰。レース後は謝罪の言葉を並べ、東京五輪で「金メダルを届けたい」と口にした。大会は7日まで無観客で行われ、瀬戸は6日の200メートル個人メドレー、200メートルバタフライにもエントリーしている。

 レースを終えたばかり。まだ肩で息をする瀬戸がテレビカメラの前に立った。本来は華やかな優勝者インタビュー。シーンと静まりかえった、異様な雰囲気の中、真っすぐ前を向き言葉を発した。

 「昨年の自分の行動により、家族をはじめ多くの関係者の皆さま、スポンサーの皆さまには、大変ご迷惑をおかけしたことと、日頃より応援してくださった方々にがっかりするような行動をとってしまい、本当に申し訳ございませんでした」

 いやが応でも注目される5カ月ぶりの復帰戦。レース開始直後から得意のバタフライで先頭に立つと、最後の自由形はバテバテだったが、気力で1位を守りゴールした。入場時とレース前後はプールへ深々と礼をした。

 「いかに自分が恵まれた環境で競技を続けられていたか身に染みて感じた。すごく気持ちを入れて泳いだ」。目標としていた4分10秒切りは果たせなかったが「1番を譲ることなく泳ぎ切りたい気持ちだった。勝てたことは良かった」と大きく息をついた。

 20年9月の不倫報道により、所属のANAから契約を解除され、日本水連からも処分を受けた。謹慎期間中は民間プールを1レーン借りて練習。高校のプールを借りて泳いだ日もあった。それでも、水泳をやめようと思ったことは「一切ない」と瀬戸。「自分は五輪の金メダルを取っていない。夢を達成したいし、応援してくださる方々に五輪の金メダルを届けたい」。気持ちは揺らがなかった。

 2021年を迎え、謹慎処分が明けた頃から瀬戸自身もギアチェンジ。準高地での泳ぎ込みなどをこなしながら、競技者としての自覚を取り戻した。1年前と比べて一時は5キロ以上増加した体重は、やっとプラス1キロ程度まで戻ってきた。

 5日が誕生日の妻・優佳さんとは報道後「真剣に向き合って」話し合いを重ねた。「競技の面も人としても成長していくところを見せていきたい」との言葉に、最後に妻は「自分がサポートできるところはする」と言ってくれたという。

 東京五輪会場で迎えたこの復帰戦は「新たなスタート地点、通過点でもある」と瀬戸。掲げる大きな目標へ、気持ちを入れ替え再び泳ぎ出す。

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