JOC山下会長 森氏発言余波に危機感ヒシヒシ…問題収束へ全力姿勢

 日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(63)が9日、都内で定例会見を行った。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が「女性がたくさん入っている会議は長くなる」などと女性蔑視と取られる発言をしたことについて「極めて不適切だったと強調したい」と改めて断じ、この問題で大会ボランティアの辞退者が出ていることに「瞬間的なものだと捉えていない」と危機感を募らせた。

 終始険しい表情だった。先週勃発した森氏の舌禍問題について、JOCの山下会長が定例会見で改めて言及。「いかなる差別も認めない五輪の根本精神に反するもので、極めて不適切だったと改めて強調したい」と語気を強めつつ、「森会長も(問題を)認めており、撤回している。発言の是非を改めて述べる必要はない」と辞任までは求めない姿勢を再度示した。

 一方で、ただでさえ新型コロナ禍で懐疑的な声が広がる今夏の五輪開催に向けて、大会トップによる蔑視発言が与えたダメージは甚大だ。国内外で批判が広がる中、前日までにボランティアの辞退者が約390人に上っており、さらにこれを受けて自民党の二階俊博幹事長が「瞬間的(な問題)」などと発言し波紋を呼んでいる。

 山下氏は「私自身は瞬間的なものと捉えてないし、捉えてはいけないと思っている」とクギを刺し、「スポーツ界や社会全体にそういう(男尊女卑の)価値観があることは事実。さまざまな差別をスポーツ界から無くしてくことが私たちの役割ではないか」と強い危機感をにじませた。

 森氏の発言を巡り、12日には組織委の理事、評議員による臨時会合が開かれる見通しとなっている。山下氏は「これは決定ですか?私は聞いてませんけど」と首をかしげながらも、組織委の副会長も務めるだけに「開かれるなら参加したい」と問題収束に全力姿勢。大会半年前というタイミングで訪れた最大の“内憂外患”。JOCトップとして頭を悩ませる日々が続く。

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