“森離れ”加速 小池都知事4者会談“ボイコット”最高位スポンサー・トヨタ社長「遺憾」

 東京五輪・パラリンピック組織委員会は10日、森喜朗会長(83)が女性蔑視ととれる発言をした問題を受け、12日午後に評議員、理事を集めた合同懇談会を開催すると発表した。森会長が改めて発言を謝罪し対応を協議するとみられるが、国内外での批判は広がるばかり。最高位スポンサーのトヨタ自動車の豊田章男社長が「遺憾」とコメントを発表し、東京都の小池百合子知事は組織委、国際オリンピック委員会(IOC)、政府との4者会合への不参加を表明。“森離れ”が進んでおり、事態収拾に予断を許さない状況が続く。

 ここにきて、“森離れ”が一気に加速してきた。前日9日にIOCが森氏の発言について「絶対的に不適切」と声明を発表。拡大する批判に、これまで「問題は終了した」としていた態度を一転させると、この日は国内で厳しい声が上がった。

 最高位スポンサーのトヨタ自動車は「トヨタが大切にしてきた価値観と異なり、誠に遺憾だ」と豊田社長のコメントを発表。この他、スポンサーに名を連ねるENEOSの親会社幹部も「極めて遺憾」と述べるなど、大会の屋台骨を支える全68社のスポンサーからの批判が日増しに強まってきている。

 また、小池都知事はこの日、17日開催で調整されていた森会長、IOCのバッハ会長、政府の橋本聖子五輪相との4者会談について、欠席する意向を表明。森発言以降、都には抗議の電話が殺到しており、ボランティアや聖火ランナーの辞退が相次いでいることから「今ここで開いてもあまりポジティブな発信にならない」と説明。事実上の“ボイコット”で、問題と距離を置く姿勢をみせた。

 批判が拡大する中、組織委は12日に理事、評議員を集めた懇談会の開催を発表。「忌憚(きたん)のないご意見を賜る」としており、森会長が改めて謝罪し、今後の対応を協議するとみられる。会議後の会見登壇者は当日発表とし、森会長が出席するかは未定だ。現時点で組織委内部、政府側からは辞任を求める具体的な動きはなく、「続投が既定路線」(大会関係者)ではあるが、それで世論が納得させられるか。難しい判断を迫られることになる。

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