北海道銀行が逆転V!6大会ぶり2度目 アクシデント乗り越え代表決定戦につなぐ
「カーリング・日本選手権」(14日、稚内市みどりスポーツパーク)
女子決勝は北海道銀行が2連覇を狙った2018年平昌冬季五輪銅メダルのロコ・ソラーレを7-6で破り、6大会ぶり2度目の優勝を飾った。北海道銀行は1点を追う最終第10エンドで2点を奪って逆転勝ちした。両チームは、22年北京五輪代表権を懸けた5月開催予定の代表決定戦に進む。
悲願の五輪出場へ北海道銀行が望みをつないだ。5-6で迎えた第10エンド、最後は相手に苦しいショットを打たせてミスを誘い、2点を奪取。最後の最後に逆転し、チームは輪になって歓喜の声を上げた。スキップの吉村紗也香は「本当にうれしいです。5年優勝を逃していて、やっと優勝できて。今はすごくホッとした気持ちでいます」と、目に涙を浮かべて笑った。
アクシデントにも負けなかった。第4エンド、吉村が最終投をハウス(円)の真ん中にきっちり決めたが、近江谷杏菜のブラシが石に当たったとしてストーンが取り除かれ、無効になった。「ストーンが止まる直前に自分のブラシが当たってしまった。藤沢選手が掃きに来ていたので、お互いに当たったのかもしれない」と近江谷。得点できたかもしれない場面で2点を失っても、「ミスは戻らない」とすぐに切り替えて引きずらなかった。
チームが前を向けたのは、20年10月からメンタルコーチに就任した、プロ野球日本ハム元コーチの白井一幸氏の指導もある。「メンタルが弱い」という吉村も「この1年メンタルに向き合ってきて、ここで結果を出せた」。
今大会も1次リーグと決勝トーナメントで2度敗れたライバルに、最後に雪辱。「(辞めたいと)思う時期もあったけど、最終的には五輪に出たいと、何度もそこにたどり着いたので諦めずに何とかやってきました」。前を向き続け、ようやく優勝をつかんだ。
北京五輪切符の獲得は、決定戦にまでもつれ込んだ。「北京まで道はつながった。次は自分たちの手で勝利をつかみたい」と吉村。再び強敵に打ち勝ち、強さを証明する。