大坂なおみ逆転8強「戦闘だった」 怒りのラケット投げで本来のプレー取り戻す

 「テニス・全豪オープン」(14日、メルボルン)

 女子シングルス4回戦で第3シードの大坂なおみ(23)=日清食品=が2020年準優勝で第14シードのガルビネ・ムグルサ(スペイン)に4-6、6-4、7-5で逆転勝ちし、初優勝した2019年大会以来2年ぶりの8強入りを果たした。全豪のシングルスで通算19勝目となり、杉山愛が持つ日本女子の歴代最多記録に並んだ。準々決勝で謝淑薇(台湾)と対戦する。

 2時間近い激戦の最後、相手のボールが外れるのを見届けると、ようやく大坂が優しい笑顔になった。「1年前ならこの試合に勝てなかったかも。精神的に強くなった」。第1セットを失い、その後何度も訪れたピンチをはねのけた。

 最終セット、2-2の第5ゲーム。ピンチを迎え、いらだちを隠せずラケットを叩きつけた。結局、ブレークを許し、以前なら自滅しかねない状況だったが「怒りでラケットを投げてしまったが、自分の感情を解き放つことができた」。荒療治で本来のプレーを取り戻した。

 3-4で迎えた第8ゲームではブレークバックのチャンスを逃し、続く第9ゲームでは15-40とダブルのマッチポイントを握られた。しかし、ここで一気に集中力を高めて強烈なサービスエースと力強いフォアを連発。絶体絶命の窮地から脱出すると、逆に重圧のかかった相手を攻め立てて2度のブレークに成功。勝負を決めた。

 四大大会2度優勝のムグルサとの初対戦。ミスを恐れずに鋭いコースに打ち合う好勝負を「一言で言うなら戦闘だった」。そんな厳しい戦いで見せたのは、コロナ禍を乗り越え、20年の全米オープンで再び頂点に立った心身のたくましさだ。

 これで四大大会のシングルスで通算勝利数が「50」に到達したが、節目の白星を気にしない。「全ての試合、全てのポイントで挑戦し続ける」。8強入りした四大大会全てでタイトルを手にしている日本のエースが愚直に相手に立ち向かう。

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