島根県知事が聖火リレー中止の意向 五輪開催にも反対「対応能力の水準低い」

 島根県の丸山達也知事(50)は17日、県内で実施する予定だった東京五輪の聖火リレーについて、「開催すべきでない」と中止の意向を表明した。県の聖火リレー実行委員会で明らかにした。委員会終了後の記者会見で、五輪自体の開催にも反対する考えを表明した。

 五輪のリレーは島根県内で5月15、16日に実施し、パラリンピックは日程調整中だった。丸山知事はリレーが福島県からスタートする3月までに中止するかどうかを判断しなければならないと説明。「今の時点で中止をお願いするわけではない。状況を見て、(政府と東京都の対応が)改善するかどうかあらためて判断したい」と1カ月ほど状況を見ていくとした。

 委員会に先立った取材では「新型コロナウイルス感染拡大を封じ込めるための政府や東京都の対応に不満がある」などと理由を明かした。感染拡大地域と、島根県など感染者が少ない地域には支援に差があり「不公平」だと指摘。聖火リレーを実施するための条件として、県内の飲食業者も同等に支援するよう求めた。中止を引き合いに改善を促すのが狙い。県は警備費用などを予算化しており、県の判断で事実上中止することができる。

 委員会終了後の記者会見では、「五輪と聖火リレーの開催に協力していくことは難しい」とし、五輪の開催そのものにも反対する考えを表明。東京都内で保健所の業務がひっ迫し積極的疫学調査を縮小したことや、緊急事態宣言中に小池百合子都知事が千代田区長選の応援に出ていたことなどを挙げ「対応能力の水準が低いところにリスクの高いイベントを実施する資格があるのか」と指弾した。

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