聖子会長、丸川五輪相、小池都知事 女性3トップ結束 新体制ドタバタスタート
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子新会長(56)が19日、本格的に執務をスタートさせた。“女性蔑視発言”により引責辞任した森喜朗前会長(83)については組織委として役職をつけない方針を固めた。この日は午前中は否定していた自民党の離党を、野党からの批判を受けて一転して決断。東京都の小池百合子知事、再任の丸川珠代五輪相とも面会するなど、慌ただしい一日を過ごした。
夢舞台へ吹きすさぶ逆風を変えるための、新体制がスタートした。約5000人の組織委職員へのあいさつでは、感極まって声を震わせながら、自身の就任までの葛藤とコロナ禍で開催への支持が低迷する中、奮闘する職員への思いを吐露。「国民に信頼される東京大会にすることが私の最大の使命だ。オリンピアンとして魂を込めて会長職を全うし、安心安全な大会を開催する」と決意を語った。
まず失墜した大会イメージ回復に向け、女性蔑視発言で辞任した前任者の森前会長を組織委内の役職につけないことを決めた。当初、森氏から後継指名を受けた川淵三郎氏は、同氏を相談役に置く考えを示し、批判を受けて破談となった。それだけに森氏の影響力が残ることに懸念を示す声に配慮したとみられる。ただ、橋本会長にとって、森氏は政治の師。今後も個人的な助言は求めていくとみられる。
その後は慌ただしい一日を過ごした。午前中には自民党を離党しない意向を示していたが、政治的中立性を問う野党の批判を受けて撤回。「透明性を持って国民に歓迎される会長を務めるには、政党に所属していては国民に理解してもらえない」とし、五輪開催や国会審議への影響を回避するため、この日の午後、自民党の二階俊博幹事長に離党届を提出した。
そして内閣府で自身の後任となった丸川珠代五輪相との引き継ぎ式を行い、夕方には都庁で小池都知事と面会。東京五輪成功に向けた女性“3トップ”で連携を確認した。
まずはしっかりと足場を固め、難局へと立ち向かっていく。