鶴竜が合同稽古で御嶽海を圧倒 背水の春場所へ「元気になってきた」
4場所連続休場中の横綱鶴竜(35)=陸奥=が20日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まった合同稽古に参加し、小結御嶽海(出羽海)と三番稽古(同じ相手と続けて何番も取る稽古)を行い、16戦全勝と圧倒した。
昨年11月場所後、横綱白鵬(宮城野)とともに、横綱審議委員会(横審)から史上初の「注意」決議を受けた。進退の懸かる春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)で再起を目指し、一歩を踏み出した。
弟弟子の霧馬山以外、他部屋の関取と相撲を取るのは7月場所初日、遠藤(追手風)に腰砕けで負けて以来(翌2日目から休場)7カ月ぶりとなる。頭で当たって前ミツを引いて素早い出足や、もろ差しなど、動きを確認。実力者を相手にまずまずの感触を得た。
本場所でも当たる御嶽海を指名。「なるべく肌を合わせた相手とやりたいと思っただけまあまあ、まず初日なんで、ここから順調にやっていきたいと思います」と振り返った。
持病の腰痛が回復せず、先場所も直前で出場を回避。「ここまで順調に来てるんでこのまま行きたいなと思ってるんですけど。なるべく今場所で当たる相手とやっていきたいと思います」と25日まで行う合同稽古に6日間皆勤する意向だ。
前初場所中、部屋でもじっくり体を追い込んだ。「もうずっと(ぶつかり稽古に)胸を出したり、土俵に入ったりね、相撲取ることはなかったけど、それ以外のことはしっかりやってたんで」と戦う状態には仕上がった。
師匠の陸奥親方(元大関霧島)は春場所に引退を懸けて出場する意向を示してきた。師匠は早期に実戦勘さえ戻せば、復活は可能と期待する。
鶴竜は「体が元気になれば、とずっと思ってやってたので。それがやっとこう元気になってきたんでね。あとはやっぱり感覚はやってつかんでいくしかないので」と、前だけを見据える。昨年12月には日本国籍も取得。心機一転、まだ土俵で奮起したいところだ。
15日間皆勤は昨年春場所が最後。「(実戦勘を)今から心配することじゃないし、そこを心配しても仕方がないので。しっかり自分の準備をしてやっていくだけです」と、気合十分に話した。