大坂なおみ2年ぶり2度目の全豪女王 「勝ったよ!」ゴールデンスラム見えた

 「テニス・全豪オープン」(20日、メルボルン)

 世界ランキング3位の大坂なおみ(23)=日清食品=が女子シングルス決勝で同24位のジェニファー・ブレイディ(25)=米国=を6-4、6-3で下し、2年ぶり2度目の頂点に立った。四大大会制覇は2018年と20年の全米オープンを合わせて4年連続4度目となった。ストレート勝ちで優勝賞金275万豪ドル(約2億2800万円)を手にした。コロナ禍での今年最初の四大大会で最高のスタートを切り、同じハードコートで実施される東京五輪の金メダル獲得へ弾みをつけた。ツアー大会は通算7勝目。22日付世界ランキングで2位に浮上する。

 圧倒的な力をみせつけ、大坂が2年ぶりに全豪女王に返り咲いた。グランドスラム4勝目を決めると、ラケットを頭の上に掲げ、満面の笑みで降り注ぐ拍手に応えた。

 「本当にうれしいし、ホッとした。(日本語で)勝ったよ!」

 ただ、ただ、強かった。決勝を含めた7試合で落としたのは1セットのみ。昨夏から出場4大会にまたがる連勝は21に。持ち前のパワーに精度の高い技術が融合。戦術家のフィセッテ・コーチから授けられた情報や戦術を的確にプレーに反映できる力が備わり、完成度がワンランク上がった。今は完璧は求めなくとも、相手をねじ伏せる強さがある。決勝でもブレイディに流れがいきかねない場面もあったが、勝負どころを見極め主導権は渡さない。「完璧なプレーができなくても、乱れないことを心がけた」と胸を張った。

 揺るぎない大坂時代が到来した。そう確信させる圧倒的なパフォーマンスに、夢は広がる。日本テニス協会の土橋強化本部長は「気が早いかもしれないが、(GS優勝を)2ケタにのせるとかゴールデンスラム(四大大会+五輪制覇)を視野に入れた全豪での戦いだった」と舌を巻く。

 全米、全豪の連勝は18年全米-19年全豪以来2度目。当時はその後、世界ランク1位の重圧に苦しみ、スランプを経験。コーチも2度交代した。しかし、今は精神面の充実ぶりが際立つ。コロナ禍で自分のプレーヤー、1人の女性としての立ち位置を見つめ直し、自立。今大会は豪州入国後、2週間は練習の制限もあり、多くの選手が調整に苦しむ中、不変の強さをみせた。

 得意のハードコートで行われる東京五輪は金メダルの大本命。ゴールデンスラムに向け、焦点は苦手とする全仏のクレー(土)、ウィンブルドンの芝のコートの攻略だ。「東京五輪もあるし、全仏、ウィンブルドンでもいい結果を残したい」。88年のシュテフィ・グラフ(ドイツ)以来、男女合わせて史上2人目の年間ゴールデンスラムすら可能と思わせる強さが、今の大坂にはある。

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