武井壮が提案…中止なら“スペシャル五輪”でメダル授与を 選手が犠牲にならないように
デイリースポーツのボクシング評論「拳心論」で健筆を振るう元世界3階級制覇王者、長谷川穂積氏(40)が、現役時代から親交が深く兄貴分と慕うタレントの武井壮氏(47)と、コロナ禍で厳しい状況に置かれているスポーツの現状について真剣に考察。陸上の元十種競技日本王者でもある武井氏は、万が一にも東京五輪が中止となった場合のプランも提案した。
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-選手は先が見えなくて厳しい状況だ。
武井「中止になった場合は、その代替として“スペシャル五輪”のような、五輪の冠を使った大会を同じ代表選手で数年後に行って、五輪メダルを授与するのはどうか。オリンピアン、五輪メダリストという存在は、各国でビジネスにつながる。予選ができていない国もあるので、今はそれをどうするのか議論しておいた方がいい」
長谷川「僕は中止じゃなくて延期派だったんです。来年の方がみんながより注目して余裕を持って楽しんで見られるんじゃないかなと思っていた。柔道の大野将平選手の練習に行った時には、とんでもないトレーニングをしていて、ほんまにみんなが盛り上がっているところで金メダルを獲ってほしいなって思いました。でも、壮さんの話を聞いて、今年やることに一つ意味もあると思うし、やれたら何か変わるかもしれないとも思いました」
武井「政治的にOKなら穂積が言うように来年も面白いと思う。2022年に夏冬同時開催の五輪があったというニュースバリューがある。事実や背景が世界で報じられる」
長谷川「選手としては、開催するのかしないのかわからない状況で練習するのが一番しんどいと思う。決断のデッドラインはどの辺だと思いますか」
武井「若い選手なら次の五輪でいいかと思えるけど、キャリア終盤の選手、例えば飛び込みの寺内健君なら40歳で6回目の五輪。今までメダルを獲れてなくて今回に人生がかかっている」
長谷川「もし僕が35歳ならきついと思うけど、20代前半なら、中止は嫌だけど次があると思うかな」
武井「今回は東京開催で、マイナー競技なら一番多くの人に見てもらえる好機を失う。状況は選手によって違う。だからこそ最後まで議論して決断した方がいい。五輪が悪者にならないように、オリンピアンが犠牲にならないように。政府、組織委員会、医師会、いろんなところがタッグを組んで話し合いを続けていくべきだし、まだその段階だと思う」