東レ“今季初黒星”で痛恨V逸…涙目の黒後主将「何かが足りない」シーズン全勝も無冠
「バレーボール・Vリーグ女子・プレーオフ決勝、JT3-1東レ」(21日、大田区総合体育館)
これがプレーオフの妙味か-。女子決勝で今季レギュラーシーズン1位の東レは、昨季王者のJTに1-3で敗れ、9季ぶりの優勝はならなかった。今季リーグ戦では21戦無敗を誇るなど、プレーオフも含めて22連勝と破竹の勢いで決戦に臨んだが、痛恨の“今季初黒星”で頂点を逃した。
コート上で歓喜の輪をつくるJTの面々とは対照的に、東レのメンバーは号泣しながら肩を抱き合って悔しさをかみしめた。黒後愛(22)を中心に高い攻撃力で第1セットこそ先取したものの、相手に16本ものブロックを決められるなど要所でペースを握られ、挽回できなかった。
「今日は『楽しく、激しく、東レらしく頑張っていこう』と話し合っていたが、終盤、
大事な場面で(それを)貫き通せない自分たちがいたのかな」(黒後)
リーグ戦では全勝を誇り、今季最も勢いのあるチームであることは間違いない。しかし、昨年12月の全日本選手権決勝でもJTに苦杯を喫しており、勝負所で勝ち切ることができず“無冠”に終わった。今季は新型コロナウイルス感染拡大で練習が制限されたり、試合が直前で中止になるなど調整の難しいシーズンとなったが、それは相手も同じこと。22歳にして今季主将を務めた黒後は「目標は優勝なので、納得してない自分がいる。自分たちは苦しみを乗り越えるための何かが足りなかった。もっとやるべき事があるんだなと感じています」と、涙を浮かべながら真摯(しんし)に受け止めた。
越谷章監督は「2回も(優勝の)チャンスがあって、勝てなかった自分のふがいなさ。ダメだな俺は…という感じ」と反省の弁。選手に対しては「これだけ苦しい中でも勝ち続けて本当に頑張ってくれた。結果は負けたが、今季やってきたことは間違ってなかった」とねぎらいつつ、「あとは勝負が懸かったときのメンタル面を含めたところ。技術もあるが、気持ちの持っていき方がどうだったのか」と勝負所で勝ち切る力を課題とした。