池江璃花子が復帰後初のV!想像以上の復活劇 さあ東京五輪切符懸け日本選手権へ
「競泳・東京都オープン」(21日、東京辰巳国際水泳場)
白血病からの完全復活を目指す競泳女子の池江璃花子(20)=ルネサンス=は、50メートルバタフライを19年世界選手権8位相当で日本学生新記録となる25秒77で制した。闘病からの復帰後、初優勝を飾り「ものすごくうれしい」と話し、同時に東京五輪代表選考会を兼ねて行われる日本選手権(4月3日開幕、東京アクアティクスセンター)の出場を明言した。
笑みがこぼれた。飛び込みから伸びやかに加速すると、腕を回すたびに差を広げた。わずか50メートルで、後続に1秒以上の差を付けて1番でフィニッシュ。池江が実戦復帰から半年ほどで“女王”に返り咲いた。目標だった26秒1台を大きく上回る25秒77は19年世界選手権8位相当。世界の決勝に立てるほどの好タイムで、第2の水泳人生における“初タイトル”に花を添えた。
世界大会出場クラスのトップ選手は出場していない上、非五輪種目だが「どんな試合でも1位を取れたのは、ものすごくうれしい」とにっこり。「25秒台は出ると思っていなかったのでビックリしたしうれしかった。今の体の状況で言うと、85点くらいはあげてもいいかな」。100点満点は「またさらに記録を更新できたら」と、自身の持つ日本記録25秒11の更新を見据えるだけに「今の自分では結構高い方、褒めている点数」と笑った。
4月の日本選手権は「出る方向で決まっている」と明言。4種目で参加資格を得ているが「レース後の自分の体のダメージも見ながら、それによっては種目数を考えないと」と慎重だ。ただ、それも高みを見据えているからこそ。「出るからにはいい位置を狙いたい。しっかり目標、目的を持って決めたい」とした。
もちろん、日本選手権は東京五輪行きの切符が懸かる。「今、最大の目標は2024年(パリ五輪)。そこをクリアできるように、これからどんどん記録を伸ばしたい」としながらも、今の思いを問われると「アスリートとして狙っているところはみんな一緒だと思う。それに向けて全力で自分は頑張る」とうなずいた。
まだプールに戻って1年足らず。これまで周囲の想像をはるかに上回る復活劇を演じてきた。残る1カ月半での伸びしろは未知数。可能性はまさに無限大だ。