五輪代表・服部勇馬「走れてしまったが故の苦労」マラソン初挑戦時の失敗語る
東京五輪男子マラソン代表の服部勇馬(27)=トヨタ自動車=が23日、オンラインで行われた日本陸上競技学会第19回大会のシンポジウムに参加した。「駅伝からマラソンへ」のテーマで東洋大時代の恩師・酒井俊幸監督と、現在指導を受ける佐藤敏信監督らとともに熱く語った。
服部は「マラソンを走ったあとに駅伝をしっかり走れる選手は速いだけじゃなくて強さのある選手になれると思っている。両立は難しいけどそれを達成できる選手が強い選手だし、世界の舞台できっちり結果を出せる選手につながっていく」と持論を展開した。
服部は東洋大時代の14年に30キロで1時間28分52秒の学生記録を樹立し、箱根駅伝ではエース区間の2区で15年から2年連続区間賞を獲得。16年に満を持してマラソンに挑戦したが「30キロで学生新記録を出してこの練習でそのタイムが出ちゃうんだと安易な考えが頭の中に浸透されて、マラソンに取り組む上で土台作りの部分をおろそかにしたり、30キロ以降の走りに対してマラソンを始めてから課題が残ったり。走れてしまったが故の苦労というか、課題に気づくのが遅くなった」と振り返った。
それでも、失敗を失敗で終わらせず成長につなげてきた服部。「自分自身が変わりたいと思えばいつでも変われるきっかけはある。それに気づいて行動に移せるかどうかでその先の今後の取り組みだったり、成果がみられていく。現状に満足することなく今の自分に足りていないものをしっかりと謙虚に受け止めながら考えてこれからも競技に取り組んでいきたい」と語った。