高梨沙羅が銅メダル 世界一「すごく遠い感じ。まだまだ追求しないといけない」
「ノルディックスキー・世界選手権」(26日、オーベルストドルフ)
ジャンプ女子個人ノーマルヒル(ヒルサイズ=HS106メートル)が行われ、高梨沙羅(24)=クラレ=は合計276・3点の3位で、2大会ぶりに銅メダルを獲得した。個人種目では2013年の銀、17年の銅に続く三つ目のメダル。1回目に104メートルで首位と僅差の3位につけ、2回目も100メートルを飛んだが、五輪と世界選手権を通じて初の個人種目の金メダルには届かなかった。エマ・クリネツ(スロベニア)が初優勝。伊藤有希(土屋ホーム)は11位、丸山希(明大)は20位、勢藤優花(北海道ハイテクAC)は22位だった。
届きそうで届かない。高梨にとって6度目の世界選手権。着地のミスも響き、金メダルへの挑戦はまたもはね返された。「あとちょっとなようで、すごく遠い感じはしている」。銅メダルの悔しさを受け止め、ゆっくりと言葉を選びながら言った。
個人ノーマルヒルの1回目、舞うような風でスキーの感覚に微妙なずれが出た。「そのまま飛んでいける気がしていたけど、予期せぬところにテール(スキー板の後ろの部分)をこすってしまった感じ」。ヒルサイズに2メートルと迫ったが、着地でバランスを崩して60点満点の飛型点は48・5点。この減点が結果的に足を引っ張った。
W杯で史上最多60勝を誇りながら、不思議と五輪、世界選手権の個人種目では頂点に縁がない。「神様がいるんだとすれば、もっと頑張れということだと思う。自分に何か欠けていて、まだまだ追求しないといけない」。3月3日の個人ラージヒルでもう一度、世界一に挑む。