松村雄、吉田組V北京五輪に望み 異例の“身内決戦”「妹が泣いてるの一番心苦しい」

 「カーリング・日本混合ダブルス選手権」(28日、青森市みちぎんドリームスタジアム)

 決勝が行われ、松村雄太(31)=コンサドーレ、吉田夕梨花(27)=ロコ・ソラーレ=組が、連覇を狙った松村千秋(28)=中部電力、谷田康真(26)=コンサドーレ=組を10-2で下し、22年北京五輪代表に望みをつないだ。松村雄、吉田組は世界選手権(4月・開催地未定)代表に決定。同大会で7位以内に入り、日本の五輪出場枠を獲得すれば、再び松村千・谷田組との日本代表決定戦(時期未定・稚内)で、五輪代表を決定する。

 五輪を懸けた異例の“身内決戦”だった。松村雄にとって、ペアを組む吉田夕は義理の妹。対戦相手の千秋は、実妹だ。加えて千秋とペアを組むのは、すでに男子4人制で五輪が有力となっているコンサドーレの同僚・谷田。関係性が複雑に絡み合った戦いを制し、一時的ながら実妹の五輪切符獲得を阻止した形となった松村雄は、千秋が涙する姿に「妹が泣いてるの、一番心苦しい」と、言葉をかみしめた。

 義兄妹ペアは1次リーグ2連敗スタートからプレーオフを勝ち上がり、試合ごとに成長していった。「雄太の強さは精神的な強さ」(吉田夕)、「夕梨花の1番の強さは忍耐力」(松村雄)と認め合い、決勝でも勢いをみせつけた。序盤から2点、4点、2点の3連続スチールで圧倒。最後は松村雄がダブルテークアウトで決着した。

 世界選手権で五輪枠を獲得できれば、再び実妹との“仁義なき戦い”が待ち受ける。ただ、今は日本のために、枠を勝ち取ることが最優先。松村雄は「日の丸を背負って、絶対に枠を獲ってくる」と覚悟を口にした。

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