ボート・西村光生、古田直輝「腹をくくって」崖っぷちから五輪アジア予選切符
「ボート・軽量級ダブルスカル決定トライアルレース」(5日、戸田漕艇場)
男子の最終日が行われ、西村光生(31)=アイリスオーヤマ=と古田直輝(24)=NTT東日本=が、5月の東京五輪出場枠が懸かるアジア・オセアニア(AO)予選(東京・海の森水上競技場)の代表に内定した。3日、4日を含む3本の平均タイム上位2人が選出された。
負ければ終わりの崖っぷちから光をつかんだ。2月末のシングルスカル評価レースで3、4位だった西村と古田は初日にペアを組み、敗戦と同時にAO予選への道が消える逆境の中、同1、2位だった宮浦真之(NTT東日本)と武田匡弘(関西電力)に10秒以上の差をつけて圧勝。計3本のレースで逆転し、AO予選切符を勝ち取った。
西村は「無事に代表入りできてほっとしている。まずはAO予選で権利を勝ち取って、五輪に出場することが目標。その後も古田と一緒に五輪を楽しめるようなこぎをやっていきたい」。古田は「初日のレースは特に大事にしていた。西村さんと腹をくくってやるしかないということで序盤からいった」と振り返り、AO予選に向けて「西村さんとは相性が良くて、リズム良く軽くこげるので、さらにそこにパワーを乗せて、軽く強くこげるようになっていきたい」と意気込みを語った。
また、西村は12年にロンドン五輪アジア予選の代表に一度選出されていたが、補欠となった武田大作(ダイキ)が日本スポーツ仲裁機構へ申し立てをし、選考をやり直し。西村は再レースで敗れ、代表取り消しとなった。9年の時を経てAO予選出場を決め「今その壁を越えることができて、また新たな世界が広がった。まだまだ挑戦できるんだなといううれしさが率直な思い」と話した。