リーチ奮闘!東芝今季初星 震災から10年“ONETEAM”始まりの地で熱き思い

 ボールを手に突進するリーチ・マイケル
 三菱重工相模原-東芝戦が行われた鵜住居復興スタジアム
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 「ラグビー・トップリーグ、東芝58-7三菱重工相模原」(6日、釜石鵜住居復興スタジアム)

 2011年3月11日の東日本大震災から10年の節目を控えて、ラグビー日本代表主将でフランカーのリーチ・マイケル(32)=東芝=が、将来の釜石での日本代表戦開催の夢を語った。開幕2連敗中の東芝は、岩手県の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムで三菱重工相模原と対戦。9トライを挙げ58-7で完勝し今季初勝利を挙げた。ゲームキャプテンを務めたリーチは交代する後半29分まで献身的なプレーで勝利に導き、試合後には被災地への熱い思いを語った。

 熱い思いがプレーに波及した。まさかの開幕2連敗を喫して乗り込んだ釜石の地。厳しいディフェンスを主体に、攻守に圧倒した。9トライを奪い、相手を1トライに抑える完勝劇。「震災から10年たって、釜石のファンの前でプレーできたことはうれしい」。リーチは勝利の感想より先に、熱い瞳で被災地への思いを語った。

 試合前には黙とうがささげられた。スタジアムは東日本大震災で死者、行方不明者586人と釜石市で最大の被害があった鵜住居地区に立つ。リーチが釜石でプレーするのは、W杯イヤーの日本代表初戦となった19年7月27日のパシフィックネーション杯(PNC)フィジー戦以来、約1年7カ月ぶりだった。

 当時、試合前日のミーティングではラグビーの話はせず、津波で流された鵜住居地区の小中学校の跡地にできたスタジアムの由来を話した。復興への思いはチームに根付いた。“ONE TEAM”を築くきっかけの1つになり、W杯8強という、後の快進撃のスタートを切った地だ。

 5日にはリーチの故郷であり、母・イヴァさんの住むニュージーランド沖で大地震。11年は東日本大震災の直前の2月22日にクライストチャーチで大地震が起きていた。高校時代を過ごした第2の故郷でも18年9月6日に北海道胆振東部地震が発生。大地震のたびに、心を痛めてきた。

 「釜石はラグビーの歴史のあるところ。年間を通してもっと釜石で試合ができれば。代表戦をもう1回できるようになっていければ」。リーチの願い。熱い戦いを、被災地に届ける思いだ。

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