全柔連パワハラ疑惑で山下会長が職員に謝罪 加害者退職も知らされず職員疑問も

 全日本柔道連盟(全柔連)は10日、事務局職員に向けたコンプライアンス講習会をオンラインで行った。事務局内で前局長によるパワーハラスメント行為の疑いがあることが2月に明らかになったことを受け、冒頭では山下泰裕会長(63)が経緯を説明し、謝罪したという。

 このパワハラ問題は、昨春に事務局内で発生した新型コロナウイルス集団感染に関して内部調査をする過程で、職員の声によって判明。コンプライアンス委員会の調査で、前事務局長によるパワハラ行為を指摘する報告書が11月26日、山下会長らに提出された。対応は会長に一任されたが、加害が疑われる前事務局長が音信不通になり、処分規定に定められた「弁明の機会」を与えられないまま、今年1月26日に自己都合で退職したことから処分は見送った。

 ただ、これらの事実は会長と一部役員しか知らず、前事務局長の退職や、その背景にあるハラスメント問題についても職員は報道で知ることとなった。パワハラ疑惑が出た2月の会見で山下会長は隠ぺいを否定したものの、一連の経緯について公表の必要はないと一部役員だけで判断し、理事会にも報告していなかったことが明らかになった。

 この日の職員との会合では、山下会長が経緯について説明するとともに、自身が日本オリンピック委員会(JOC)会長との兼務で「(全柔連に)精力を割けなかったことを申し訳なく思う」と謝罪。また、職員からは「前事務局長が退職したときにアナウンスがなかった」「事務局員が(問題を)報道で知るのは何とかしてほしい」など疑問を呈する意見が出たという。

 中里壮也専務理事は「私もドタバタして失念していたのか(前事務局長退職の)アナウンスが漏れていた。会長からは『今後は注意します』と回答があった」と説明。昨年までは局内のハラスメントの通報窓口が事務局長だったことから、外部弁護士に変更する規約改正を1月に実施。また、加害者が聞き取りに応じない場合などに「弁明の機会」の代替措置も検討するなど、再発防止策を講じるという。

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