春場所取組発表13日に延期 2親方の陽性受け、再検査結果待ちで異例の事態

 「大相撲春場所」(14日初日、東京・両国国技館)

 取組編成会議が12日行われたが、春場所初日、2日目の取組発表は初日前日、13日午後まで異例の延期となった。複数の親方が新型コロナウイルスのPCR再検査を13日に予定し、結果を待ち確定する。万が一、陽性者が出れば力士65人が全休した先場所に続き、休場者多発の可能性があり混乱は必至。前日、感染が判明した音羽山親方(元幕内天鎧鵬)が所属する尾上部屋は協会発表を前にSNSで同部屋の休場を掲載するなどフライング。緊急事態宣言下、今場所も一気に緊迫感が高まってきた。

 通常は2日前となる初日の取組発表は今場所も1日延期された。先場所は初日前日、九重、友綱部屋で陽性者が発覚。結局、力士65人が全休となり、混乱の中、緊急事態宣言下の場所が幕を開けた。

 今場所も全協会員約900人がPCR検査を受検。力士の感染はゼロと安どの結果ながら、小野川親方(元幕内北太樹、山響部屋)、音羽山親方の陽性が11日に判明した。

 両親方は社会貢献部に所属し、協会のYouTubeを場所前から配信。同業務をともにした親方らは陰性だったものの、自宅待機措置の上、親方と協会職員15人前後を再検査することとなった。

 再検査の結果は13日の午後に判明予定。万が一、陽性者が出れば濃厚接触者を特定し、出場可否を判断する必要がある。最悪、先場所同様、大量の協会員休場の事態に陥る。

 芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「(取組を)きょう(12日)発表してしまうと、どんでん返しを食らってしまう。なのできょうの時点では休場者も出しません」と説明した。

 陽性となった両親方が所属する部屋の出場可否も13日に発表する。ただ、尾上部屋はすでに部屋のSNSで所属する全員が春場所を休場することを掲載。フライング発表に芝田山部長は「勝手に発表しているみたいだけど。まだ、どこで変わるか分からないからSNSで勝手に出されると困る」と苦言を呈した。

 場所直前のドタバタ。コロナ禍の中、6場所目の本場所も緊迫感が漂う。

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