元幕内・友風の1年4カ月ぶり復帰に師匠の尾車親方「もう一度上がって、奇跡を」
「大相撲春場所」(14日初日、両国国技館)
東京開催場所の責任者を務める日本相撲協会の尾車親方(元大関琴風)が初日を翌日に控えた13日、電話取材に応じた。
弟子の元幕内友風(26)が1年4カ月ぶりに復帰する。西前頭3枚目だった19年九州場所で右膝関節脱臼のため、途中休場。手術し、長いリハビリで7場所連続休場。春場所では西序二段55枚目から再出発となる。
部屋では元幕内の矢後とも稽古するまでに回復。自身も膝の大けがから再起した経験を持つ尾車親方は「僕よりもっとひどいけが。あれ(友風)が土俵の中で稽古する姿を見るとぐっと来るものがあった。よく戻ってきたなというのが私の気持ち。上(幕内)にもう一度上がって、奇跡を起こしてくれたら多くの人に勇気を与える」と、力を込めた。
親方自身は今場所から事業部長に加え、コンプライアンス部長、危機管理部長を兼任することになった。前任の鏡山部長(元関脇多賀竜)が体調不良のための変更で「最後のご奉公のつもりで頑張らないと。だけど、頑張らない方がいいのか。(コンプライアンス委員会は)動かない方がいい。頑張らないけど、一生懸命やります」と、話していた。
今場所も緊急事態宣言下の本場所開催で場所前、全協会員約900人が新型コロナウイルスPCR検査を受けた。親方で2人陽性となったものの、力士の感染者はゼロの結果に安ど。「本当に真面目にやってくれている。感心した」と力士の頑張りを評価していた。