東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長（５６）、東京都の小池百合子知事（６８）、丸川珠代五輪相（５０）、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）のトーマス・バッハ会長（６７）、国際パラリンピック委員会（ＩＰＣ）のアンドリュー・パーソンズ会長（４４）による５者協議が２０日、始まった。東京大会での海外からの観客について、受け入れ断念を決定した。新型コロナウイルスは変異株の出現などで厳しい感染状況が続き、国民の不安も強いことから見送りを強いられた。

　バッハ会長はＩＯＣの声明で「我々は世界中の熱狂的な五輪ファン、五輪に参加を予定していたアスリートの家族や友人の失望を共有しています。本当に申し訳ない。これは誰にとっても大きな犠牲であることは知っている」と、謝罪した上で、「ただ、パンデミックの最初から犠牲が必要だと言ってきた。プライオリティがあるのは安全。すべての決定は安全の原則を尊重することにある」と、理解を求めた。

　海外で販売済みのチケット約６３万枚については今後、払い戻される。一方でスポンサーによる招待客について、武藤事務総長は「大会関係者としてなんらかの関係のある方であれば、入れる可能性がある。一般観客であれば断念していただくことになる」と、含みをもたせた。

　５者協議は今月３日に初開催され、海外観客の受け入れ可否を３月中に判断することを確認。橋本氏は２５日の聖火リレーのスタート前までに結論を得たいとの考えを示していた。観客数の上限は、政府のイベント制限の方針に準じ、４月中に方向性を判断する。