虎党の朝阪神が勝ち越し王手 OP戦最終戦のタイガースへ「勝ってもらってシーズンに」
「大相撲春場所・8日目」(21日、両国国技館)
大好きな阪神タイガースをしこ名にする西序二段29枚目の朝阪神(20)=高砂=が3勝目(1敗)を挙げ、2場所ぶり勝ち越しに王手。若東(玉ノ井)にもろ差しを許したが、極(き)めて寄ると最後は強引に左から小手に振って仕留めた。
本来は突き押し相撲ながら、先場所の対戦と同様、もろ差しを許す形になった。「脇が甘い。うっちゃられたら仕方がないと思って極めて出た。出られなかったので相手の腕を折るじゃないけど遠慮せず振ったら食ってくれた。ああいう相撲はダメだけど、勝ちは勝ちなので」と、反省をしながら安どした。
大阪府泉大津市出身で幼少期よりプロ野球・阪神の大ファン。18年春場所、朝塩本から改名した。今場所は新型コロナウイルスの影響で大阪から東京開催になったが、「大阪で取っている気持ちで頑張る」と、故郷を思い意気込む。
“本家”タイガースは好調でこの日、オープン戦が最終戦。「最後も勝ってもらってシーズンに入ってくれたらいい。自分は一生懸命、携帯の前で応援する」と、26日の開幕が待ち遠しい。
部屋に戻れば、先代師匠の錦島親方(元大関朝潮)の付け人の仕事を務める。先代師匠は巨人ファンであり、「あまりそこ(阪神ファン)は前面に出さないようにしながら…」と、こっそり携帯を見ては一喜一憂する。
先代師匠からは常々、「自分の相撲を取り切れ」と助言をもらう。「それが自分の足りない部分。そこを意識してやっていく。まずは勝ち越し。あと一番、勝てるように」と、意気込んだ。