競歩・五輪代表高橋、男子20キロ初Vも反省 一人旅もラスト5キロ失速…
「陸上・全日本競歩能美大会」(21日、石川県能美市日本陸連公認コース)
男子20キロは東京五輪代表の高橋英輝(28)=富士通=が1時間20分19秒で初優勝した。13キロ付近からの一人旅を逃げ切ったが、ラスト5キロで失速するなど課題が多く残った。2位は同50キロ代表で学生最後のレースに臨んだ川野将虎(22)=東洋大=が1時間21分1秒だった。女子20キロは河添香織(自衛隊)が1時間36分54秒で制した。
ゴール後、高橋に笑顔はなかった。「五輪でメダルを取るという目標へ向けて、今現在の自分の立ち位置と課題の大きさを改めて感じた」。向かい風や最高気温が20度を超えるなど悪条件での初優勝にも反省の言葉を並べた。
序盤から川野とマッチレースを展開したが6キロ付近で急激にペースを上げた難敵に対応できず。その後追いつき、13キロ付近からは一人旅で逃げ切ったもののラスト5キロで失速。「前半でリズムが作れなくて、苦しくなった。最初の動きをまとめる力の足りなさが、(最後の)失速につながっている」と振り返った。
一方で、収穫もあった。課題としていた歩型で2月の日本選手権に続き、2大会連続で違反なし。富士通に籍を置く今村文男五輪強化コーチも「この1年取り組んできた成果が徐々に表れてきた」と評価する。五輪本番まで約4カ月。「ここで感じたことを生かして、引き続き夏に向けて取り組んでいきます」と反省を成長に変えていく。