鶴竜が引退会見「何かから解放された気持ち」“手紙”の言葉守り抜いた20年
第71代横綱鶴竜(35)=陸奥=が引退発表翌日の25日、両国国技館からリモートで引退会見を行い、「何かから解放された気持ち」と肩の荷を下ろした。16歳時、モンゴルから日本に手紙を送り井筒部屋に入門。絶対あきらめない信念を胸に、けがに苦しみながら6度の優勝。鶴竜親方として横綱育成を誓った。
鶴竜は「やれることは全部やれた」と胸を張った。16歳時、日本に相撲への思いをつづった手紙を送った。先代師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)の目に留まり夢の道が始まった。
「(手紙には)『一生懸命に頑張ります』って書いてある。その言葉を守ることができた。よくここまで頑張れた」。20年の現役に悔いはなかった。
横綱として丸7年、227休。けがに泣いた土俵人生だった。両足首に加え最近は重度の腰痛。再起を期した今場所直前に左ふくらはぎを負傷。5場所連続休場で土俵に戻れなかった。
「体が悲鳴を上げて無理だという信号を出し、気持ちが切れていた」と、心身とも限界。今場所後、横綱審議委員会から「引退勧告」決議の可能性もあり、引き際と悟った。
鶴竜親方として今後は後進の育成にあたる。「横綱、大関、協会の看板を背負っていけるような力士を育てていく」と抱負を述べた。