五輪式典責任者除外のMIKIKO氏沈黙破る 6カ月連絡なく…責任者交代

MIKIKO氏
MIKIKO氏の公式ツイッターに投稿された声明(@mikiko_sanより)
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 東京五輪・パラリンピックの開閉会式の責任者だったクリエーティブディレクターの佐々木宏前総合統括について、「文春オンライン」が不適切演出プランのほか、当初、五輪開会式プランをまとめる中心だった演出・振付師のMIKIKOさんが、佐々木氏に排除された流れが報じた問題で、MIKIKOさんが26日、自身のツイッターを更新し、説明した。

 昨年3月の大会延期決定の際、MIKIKOさんは五輪開閉会式の演出担当の責任者となっていたが、延期を受け、準備の一時停止を伝えられたという。「再開の際は連絡をいただけるとのことでした」。ただ、延期から6カ月経った昨年10月まで連絡がなく、MIKIKOさんが電通に問い合わせた結果、すでに責任者に別の演出家が据えられ、新しい企画がIOCにプレゼンされていたという。その後、11月になり、新しい企画、新しい演出家のもとで改めてオファーがきたが、「その企画に一から関わってない以上、責任が取れるものではありませんでした」とし、「形は変わったとしても従前の制作物で活かせる部分は有効活用すべきだと考えておりました。また、これまでの企画案に尽力していただいた皆様との関係で道義にも反していると感じました。世界中がコロナの恐怖と悲しみに包まれている中で開催されるオリパラのセレモニーのあり方を考えた時に、このような疑問を持ちながら参加するわけにはいかない、と悩み抜いた上で辞任の決断に至りました」と、明かした。

 組織委は新型コロナウイルスの感染拡大による大会簡素化を理由に、昨年12月、狂言師の野村萬斎さんに代わり、当初パラリンピックの担当だった佐々木氏を総合統括に就任させた。これにともない萬斎さんらの演出チームは解散。MIKIKO氏の辞任については公表されていなかった。

 武藤事務総長はMIKIKOさんが辞意を表明していたことを明かした上で「慰留はした。お考えを公表するのはプライバシーに関わる。我々は申し上げる立場にない。MIKIKOさんからお話するのが筋。辞意を伝えられた際、理由は述べられたが、引き続きやっていく上で、納得されない何かがあるという趣旨だったと思う」と、話していた。

 MIKIKOさんは「『もし時間が巻き戻せるなら、このコロナ禍のセレモニーで、何を伝えるのか、何が出来るのかを全員で話したかった』。オリンピック・パラリンピックのプロジェクトをサポートして下さっていたある尊敬するスタッフの言葉です。延期前まで精魂込めてセレモニーに向き合ってきた方々としっかりコミュニケーションをとり、無駄のない前向きな新しい企画を全員の力を合わせて一緒に作りたかったです、実際に手を動かして下さっていたスタッフ、キャストがしっかり輝いて、評価されるセレモニーにしたい。4年に一度のこの舞台の為に、命を燃やしてこられた世界中のアスリートの方々を激励するセレモニーにしたい。世界中からここ東京に集える奇跡を讃えたい。その思いを胸に、2016年のリオ閉会式からこの案件に関わってきた人間として、最後まで成し遂げたいと何とか踏み止まってきましたが、叶いませんでした」と、未練も覗かせた一方で「この思いは今後の作品で形にしてお返しします。私たち世代が未来に残さないといけないものは何なのかを真剣に考えます。伝えたい人に届く方法を自分なりに前向きに探し続けて参ります」と、綴った。

 今回の騒動について「個人として、組織の一員として、あるいは組織そのものとして、それぞれのお立場での正義があるのだと思います。もうこれ以上の発言はせず、目の前の一つ一つの仕事に心を込めて向き合っていくことが、私にとっての正義です。ご理解頂けると幸いです」と、終結を宣言した。

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