16歳の吉田智音が初優勝に驚き「自分の立場が理解できていない」クライミング
「スポーツクライミング・リード・ジャパンカップ」(28日、松山下公園総合体育館)
男子決勝が行われ、吉田智音(ともね、16)=奈良・青翔高=が初優勝を飾った。「本当に信じられない。まだ自分の立場が理解できていない」と驚きながらも喜びを語った。
18年アジアユース選手権リードで優勝、前回のリード・ジャパンカップでは2位に入るなどクライミング界の期待の新星だ。この日はトップタイの高度まで登り、前日の準決勝の順位が上だった吉田が初優勝をつかみ取った。「最初、(課題を)見て印象は最悪だった。登ってみても緊張して力が入る部分もあったけど、中盤から持ち直せた」と充実感を漂わせた。
小さい頃から「なんでも登るのが好き」でそれを見た両親に地元のクライミングジムに連れて行かれたのがきっかけで幼稚園の年長から競技を始めた。現在の身長は163・5センチとやや低めなこともあり「ボルダーも好きだけど、どうしても身長が足りなくて、リードの方が得意」と話す。
将来は「五輪には絶対出たい。世界選手権で優勝もしたい」と目標を語る。目標達成のためにもまずは「W杯で経験を積んで、決勝に残れる選手になっていきたい」。1つずつ着実に壁をクリアしていく。