横審委員長 引退の鶴竜へ「本当に努力の人だったのでは」「ファンの心をとらえた」
日本相撲協会が29日、春場所後の横綱審議委員会(横審)を開いた。春場所中に現役を引退した横綱鶴竜について、矢野弘典委員長が「本当に努力の人だったのではないかと思います」と評した。
昨年11月場所後に、白鵬とあわせて、「注意」の決議を出していた。委員長は「横審としては鶴竜が注意措置を真摯(しんし)に受け止めて、再起の努力を尽くしたがそれが実らずに、結局、横綱としての責任を果たせなくなったということで、引退の決断をしたもの、このように受け止めております」と鶴竜自身の決断について所感を述べた。
力士としての評価を問われると、「本当に努力の人だったのではないかと思います。いろんな意味で、人間的にも温厚な方なようでありまして。粗暴なふるまいなんぞはまったくなくて。そういう意味では多くの人の、ファンの心をとらえたのではないだろうかと私は思います」と語った。その上で、後進の指導に力を注ぐことを期待していた。