おかみ「素晴らしい関係」照ノ富士と伊勢ケ浜親方のあきらめない姿に感激
日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で臨時理事会と夏場所(5月9日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、春場所で3度目の優勝を飾った関脇照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=の大関昇進を満場一致で決定した。序二段まで落ちながら21場所ぶり奇跡の大関奪還。2度目となった昇進伝達式では「謹んでお受け致します」と短い口上に、前回と変わらぬ横綱昇進への強い決意を込めた。
伊勢ケ浜部屋のおかみ、杉野森淳子夫人が間近で見てきた師弟の絆の強さを語った。18年名古屋場所では十両も陥落。その頃から照ノ富士は師匠の伊勢ケ浜親方に「辞めたい」と何度も直訴した。「5、6回はあった。毎回1時間は親方が説得していた。(照ノ富士が)うなだれて戻っていくというのを繰り返しているのを見てきた」と強く印象に残る。
あのまま引退すれば照ノ富士の将来も心配された。「ここで辞めたら、やさぐれてしまうみたいなのを。それを食い止めたかったんじゃないですかね。本当に親方と大関が素晴らしい関係」と、師弟ともにあきらめない姿に感激していた。