柔道国内大会で初の青色柔道着を使用…昨年講道館杯での判定トラブル契機

 「柔道・全日本選抜体重別選手権」(3日、福岡国際センター)

 第1日が開催され、全日本柔道連盟(全柔連)主催の国内大会としては、初めて青色のカラー柔道着が使用された。全柔連は、昨年の講道館杯全日本体重別選手権で発生した判定トラブルを契機に、これまで導入を見送ってきたカラー柔道着について、視認性を高めることを目的に使用を決定。今年度から全日本選抜体重別選手権、講道館杯の2大会で導入される。

 伝統的な白色の柔道着同士の対戦よりも見分けがつきやすい青色のカラー柔道着は、国際柔道連盟(IJF)が1998年から導入。2000年シドニー大会以降の五輪でもおなじみとなるなど、国際大会では既に定着している。16年には全日本学生柔道連盟が、カラー柔道着を導入。ただ、全柔連主催の国内大会では、従来通り白色柔道着のみで争い、対戦者は赤帯と白帯で識別していた。

 転換の契機となったのは、昨年10月の講道館杯でのトラブルだった。男子60キロ級決勝において、技を掛けた選手と掛けられた選手を見誤るミスがあり、それを発端に不明瞭な裁定が続いたことから大きな混乱が発生。その後、全柔連側は大会運営上のミスを認めた上で、両者を優勝扱いとすることや、審議後の場内アナウンスを導入するなど6つの提言が出された。

 再発防止策の1つとして、国内大会における青色のカラー柔道着導入も提案され、昨年12月に正式決定。その際、中里壮也専務理事は「白の柔道着だけでやるより(審判が)はるかに判定しやすい。見てる方にもわかりやすい」と説明していた。

 ワンマッチのみの特別試合としては、昨年12月に開催された男子66キロ級・東京五輪代表決定戦で、阿部一二三(パーク24)が青色の柔道着を着用して戦った。

 現時点でのカラー柔道着の採用は、あくまで国際大会への選考を兼ねる2大会に限られるものの、これまでの忌避感を打破し、競技性を優先する画期的な判断となった。

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