古賀稔彦さん次男・玄暉、父にささげる涙の初V「何としても優勝したかった」
「柔道・全日本選抜体重別選手権」(4日、福岡国際センター)
男子60キロ級決勝が行われ、先月死去したバルセロナ五輪金メダリストの古賀稔彦さんの次男、古賀玄暉(げんき・22)=旭化成=が、竪山将(パーク24)に10分14秒合わせ技一本で勝利。悲願の初優勝を果たした。
先月24日に尊敬する父を亡くした悲しみを執念に変えて戦った。優勝インタビューでは涙しながら、「うれしい気持ちが一番。いろいろあったが、(父に)何も恩返しできずになくなってしまったので、何としても優勝したいという気持ちで戦いました。試合の合間にいつも(父が)連絡をくれていたので、それがないのは寂しかったが、覚悟は今まで以上に強くなっていたので、最後まで勝ち切ることができました」と思いを明かした。
1回戦は、福田大悟(鹿屋体育大)を送り襟絞めで落として一本勝ち。準決勝は優勝候補の青木から大内刈りで一本を奪った。
大会前の先月29日には、自身のインスタグラムに父との思い出の写真を投稿。「柔道家として、男として、永遠の憧れです。そして、いつも強く優しい世界一の父でした。恩返しできるよう、教わったことを忘れずに、これからも一生精進・常に前進していきます」とつづり、「#恩返しを原動力に」と加えた。
古賀玄暉は1998年神奈川県出身で、3歳から古賀塾で柔道を始めた。この春に日体大を卒業し、旭化成に入社。18年世界ジュニア選手権優勝などの実績を持つ。170センチ。