羽生結弦 今季最終戦・国別対抗戦へ「誰かの光になれるように」
フィギュアスケートシーズンの締めくくりとなる世界国別対抗戦(15日開幕、大阪)に出場する日本代表チームが5日、大会に向けた意気込みを語った。4年ぶりの出場となる五輪2連覇王者の羽生結弦(26)=ANA=は、「誰かの光になれるように」と記し、コロナ禍の中での大会への思いを吐露した。
開催地の大阪では、現在、新型コロナウイルス特別措置法に基づく「蔓延防止等重点措置」が適用され、複雑な状況下での開催となる。未だ収束の兆しが見えない中で、羽生自身も「色んなところに行くたびに人がいなくて、本当に仕事がない人たちもたくさんいたり、苦しんでいる状況なんだろうな、というのを強く感じました」と、胸を痛めている。
ただ、銅メダルに輝いた世界選手権後、掛けられる言葉が、再びリンクへ立つ意味を教えてくれた。ボードに書き込んだのは「誰かの光になれるように」の文字。「ただ、その中でも、会う人、声をかけてくれる人たちが、もちろん世界選手権は完全に良い演技だったとは言えないんですけど、それでも『勇気をもらえました』とか、『希望の光』でしたとか、そういう言葉をいただいた時に、僕はたとえ結果が良くなかったとしても、良い演技だったと納得できる演技じゃなかったとしても、誰かのためになれているのかな、という感じがして、それを常に心に持ちながら演技したいなと思ってこの言葉にしました」と、明かした。
世界選手権のフリーではぜんそくの症状が出た影響もあり苦しみながらも、気迫の演技で銅メダルを獲得した。北京五輪シーズンとなる来季、いまだ誰も成功させていないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)習得に意欲をみせる飽くなき挑戦を続ける“氷の英雄”。シーズンの締めくくりも、全身全霊の舞で未来を照らす。