屋比久翔平が初の五輪代表に 前に出るスタイルで堂々勝利「おやじの夢を果たせた」
「レスリング・東京五輪アジア予選」(9日、アルマトイ)
開幕して男子グレコローマンスタイルが行われ、77キロ級で屋比久(やびく)翔平(26)=ALSOK=が初戦から3試合を勝って決勝進出を果たし、2位までの五輪出場枠を獲得した。日本協会の選考基準を満たし、初の五輪代表に決まった。67キロ級で高橋昭五(神明精肉店)、97キロ級で奈良勇太(警視庁)はいずれも初戦敗退。130キロ級で1次リーグA組の園田新(ALSOK)は1勝2敗で敗退した。アジア予選で五輪枠を逃した階級の日本勢は5月の世界最終予選(ソフィア)に回る。
初の五輪代表を決めるとこれまでの思いがこみ上げてきた。男子グレコローマンスタイル77キロ級の屋比久は力強く前に出るスタイルを貫き、堂々の勝ちっぷり。リオ五輪は出場できなかっただけに「その時の屈辱を晴らせた気持ちが大きい」と語った。
リオ五輪予選ではね返されてから「誰よりも練習してきた」(松本慎吾・日本協会グレコ強化委員長)と自らを追い込み続け、世界との闘い方の経験も積んだ。「勝てるパターンを見いだせてきた」と芽生えた自信を結果で示した。
1989年世界選手権代表だった父、保さんが届かなかった五輪の舞台。物心がついた頃には周囲から何度も言われ、自然と目指してきた。「おやじの夢を果たせたんじゃないか。これからは自分の夢に向けて、金メダルを取りに行きたい」と力強く宣言した。