女子レスリング須崎優衣が初の五輪代表に 苦難乗り越えた21歳…悲願成就
「レスリング・東京五輪アジア予選」(10日、アルマトイ)
女子50キロ級が行われ、17、18年世界選手権金メダルの須崎優衣(21)=早大=が日本協会の選考基準を満たして初の五輪代表に決まった。出場5選手による総当たりのリーグ戦を行い、五輪出場枠獲得となる上位2位以内を確定させた。女子の日本勢は57キロ級の川井梨紗子、62キロ級の川井友香子(ともにジャパンビバレッジ)の姉妹ら5階級で既に五輪代表が決定。女子が正式種目入りした2004年アテネ五輪からは5大会連続で全階級出場となる。
遠回りをしたニューヒロインがようやく悲願の五輪切符を手にした。須崎は初戦からテクニカルフォール勝ちを連発し、五輪出場枠を獲得。女子6階級で唯一代表が決まっていなかったが、やっとスタート地点に立った。
大きな挫折を乗り越えた。世界選手権を連覇するなどエース街道を歩んでいたが、18年11月の合宿で左肘の脱臼とじん帯断裂の大けがを負った。翌年は選考会に敗れ世界選手権出場を逃し、自力での五輪は一時消滅した。
しかし、ライバルが五輪出場枠を逃したことで可能性が復活。そこから国内選考会を制し、五輪予選の出場権を得た。コロナ禍で1年延期となったが、出発前に「絶対に東京五輪に出て金メダルを取るんだと決めてきた。何が何でも代表を取りたい」と意気込んでいた通り、結実させた。
アテネ、北京五輪では伊調千春が銀メダル。ロンドン五輪は小原日登美、リオデジャネイロ五輪では登坂絵莉が金メダルを獲得してきた女子最軽量級の伝統は、苦難を乗り越えた21歳が受け継ぐ。