大相撲 御嶽海が東洋大の後輩・競泳荻野にエール 差し入れも予告

鏡でフォームを確認しながら、すり足を反復する御嶽海(代表撮影)
四股を踏む御嶽海(代表撮影)
 弟弟子らの稽古を見つめる御嶽海(代表撮影)
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 大相撲の関脇御嶽海(28)=出羽海=が16日、東洋大の後輩で東京五輪出場を競泳2種目で内定させた萩野公介(26)に対し、「五輪で金メダルを取って、自分に大きな刺激を与えてくれることを楽しみにしている」と、エールを送った。

 新型コロナウイルス感染拡大の前は定期的に会食するなど親交が深い。萩野は2016年、リオ五輪男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得後、絶不調に陥った。その際には、「プロの道を選んだ者の責任として、遠回りをしたとしても、やり続けることが大事」と助言した。

 逆境をはね返し、見事に復活した後輩を称賛。「水泳から距離を置いて、分かったこともあったんだと思う。種目を絞って出場したことが良かった。苦しい時期があるのは、センス、能力があるからこそ」と、語った。

 五輪を決めた日には電話したが出ず、折り返しでかかってきた。「0秒02差の僅差でも、五輪に出られることになって良かったな、頑張って」と伝えた。

 萩野は大会前、長野県東御市の高地トレーニング用プールで合宿。「(長野出身の)先輩が出ている地元のCMを宿舎のテレビで見たって言われた。5月にまた行くと言うので食材を差し入れする」と支援は惜しまない。

 金メダルの前に自身の活躍で弾みをつけたい。先場所は千秋楽に8勝目を挙げて勝ち越したものの、目標にした三役で10勝には届かなかった。「夏場所(5月9日初日、両国国技館)でも2桁勝利を目指すのは変わらない」と、まずは2桁勝利で大関奪取ロードの起点を築くしかなない。

 大関とりに何度も失敗し、貴景勝(常盤山)朝乃山(高砂)、正代(時津風)らに先を越された。「勢いがあって一気に2歩、3歩と進んでいる周りの関取がいたとしても、今の自分は一歩ずつ着実に進むことが大切だと思っているし、進んでいる実感もある」と自身にのみ集中する。

 先場所は体重も170キロを切り状態をキープ。好調だっただけに星数が上がらなかったのがもどかしい。「8勝7敗はもったいなかった。ずっと、引かずに、自分の相撲を取ろうとしていた。起こされること自体は仕方ないけれど、それでも決してあきらめずに我慢して、前に出ようとすることが大切で、そこをもっと修正していきたいと感じた」と、課題は明白にある。

 劣勢になった際に粘りきれない部分もある。「頭では『耐えて』と思っても、展開や体勢的に、体が連動していないことがある。自分が相撲を取っていて楽しいと感じる時は、押しをベースにして、考えたり工夫したりして取って勝つ時。ただ、負ける時は『まずしっかり当たってから』という部分がおろそかになっている。次の攻め手のことに頭がいってしまっている。そこは注意しないといけない」と口にした。

 春場所前からスピードの回復に取り組み成果も感じる。「踏み込めているし、当たれてもいるから、方向性は悪くない。春場所後は相撲を取らず、あんま(一丁押し)だけ。あとは、基礎運動を多めに。合同稽古から相撲を取るつもりでやっている」と体の仕上がりは上々。19日からの合同稽古で実戦勘を磨き上げる。

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