19歳・橋本大輝が大逆転V 新エース誕生!“金スコア”決勝88・532点

 鉄棒の演技を終えてガッツポーズをする橋本大輝(代表撮影)
 優勝杯を手に笑顔の橋本大輝(代表撮影)
 あん馬で華麗な演技を見せる(撮影・堀内翔)
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 「体操・全日本選手権」(18日、高崎アリーナ)

 東京五輪代表選考会を兼ねて男子決勝が行われ、予選7位だった橋本大輝(19)=順大=が、その潜在能力を爆発させ、予選合計173・365点とし大逆転で初優勝を飾った。決勝だけの得点88・532点は19年世界選手権の金メダルに肉薄するハイスコアで、体操ニッポンに新エース誕生を予感させた。2位は谷川航(24)、3位には萱和磨(24)=ともにセントラルスポーツ=がつけた。東京五輪団体メンバー4人のうち、5月のNHK杯(長野)までの合計得点の上位2人は代表に内定する。

 “ヤバい”才能が、爆発した。1種目目、予選で2度落下したあん馬を通しきると、橋本が覚醒した。跳馬、平行棒、鉄棒で高得点の15点台を並べ、見る見る順位を上げると、最終種目の床も15点にのせ大逆転劇を完遂。「笑顔で終われてよかった」。大仕事をやってのけた19歳は、あどけなく、はにかんだ。

 冬のオフ期間に世界最高難度の演技構成を作り上げ、優勝候補として乗り込んできた大会だった。失意の予選から中1日。力に変えたのは、歴代エースからの言葉だ。指導を受ける04年アテネ五輪団体金メダリストの冨田洋之コーチからは「ここで6種目ミスなくやることが、エースになるために一皮むけるということ」、五輪2連覇王者の内村航平からは「切り替えてやっていけば大丈夫」と背中を押され前を向いた。

 大会前に読んだのは「ヤバい集中力」という本。「人間は一瞬で1万6000の情報を取り入れる。集中は難しいと書かれていた」と苦笑いしながらも、導き出したのは「いかにいつもどおりやるか」。世界最高難度を日々こなしてきた日常をそのまま体現し、日本の頂にたどり着いた。

 決勝の得点88・532点は、19年世界選手権金メダル、ナゴルニー(ロシア)の88・772点に迫るハイスコア。試技会では89点台をマーク。「90点も現実可能」と、底知れない。日本協会の水鳥寿思強化本部長も「スペシャリストが集まったような総合力。世界最高レベル」とそのポテンシャルに舌を巻く。

 上位2人が東京五輪代表に内定するNHK杯へ「安定した演技で“お前がエースだ”という実力をみせて代表になりたい」。加速する輝きは止まらない。

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