低支持にあえぐ東京五輪 橋本会長、開催へ理解求め「極力ご迷惑お掛けしないように」
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長(56)が23日、都内で行われた企業経営者や諸団体のトップが会員に名を連ねる内外情勢調査会の全国懇談会で、東京大会に向けた講演を行った。
開幕まであと3カ月となる中、最新の国内世論調査でも中止、再延期の今夏の開催に否定的な声が7割を占める空前の低支持にあえいでいる。「万全の体制でコロナ対策を講じて、世界の選手団をお迎えして、日本の皆さま方にご心配、ご迷惑を極力お掛けしないように、素晴らしい夢と希望と感動の舞台を作り上げる努力をしていきたい」と、開催への思いを語った。
支持率については「7年前に東京大会の招致が決まった際には支持率は7割を超えていた。それが1年延期となり、秋からはどんどん落ちていった。10%を切ることもあったと思う」と振り返り、「もともとは楽しみにしてくださっていた方々が日々大変な状況の中で延期や辞めるべきとなっていった。医療のひっ迫など、(五輪が)支障をきたすという心配がほとんどだと思う。来週には(大会の感染対策をまとめた)プレーブックの第2版を発表する。これを通じて、しっかりと安全安心を示し、理解を得られるようにしていきたい」と、回復に意欲を見せた。
第4波とみられる新型コロナウイルスの感染拡大にともない、政府は同日にも都や大阪府などへの3度目となる緊急事態宣言を決定。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は21日の理事会後の会見で、緊急事態宣言について「ゴールデンウイークに向けた予防措置だと理解している。東京五輪とは関係がない」と五輪開催への影響を否定したことで、国内から大きな反発が起きている。橋本会長は「バッハ会長はあらゆる情報を取り入れている。日本の感染状況を見た上で、先んじて対策を打つ方がいいと感じられたのだと思う。決して東京大会と宣言が全く関係ないとは思っていないと思う。バッハ会長だからこそ、非常に強く感じて、大変な状況になる前に発出したと受け止めていらっしゃるのではないか」と、心中を推察し、擁護した。