カナダのIOC委員 東京五輪開催「疑問」 可否は判断は「医療専門家が行うべき」
女子アイスホッケー元カナダ代表の4大会連続金メダリストで、国際オリンピック委員会(IOC)のアスリート委員を務めるヘイリー・ウィッケンハイザー氏は23日、カナダ・CBCの取材で、3カ月後に迫った東京五輪の開催について「疑問に思う」と問題提起した。
医師を目指している同氏は変異株による世界的な感染再拡大が起こる中で安全な開催に疑問を抱いており、開催の決定は「大企業ではなく、医療と健康の専門家によって行われる必要がある。大会を進めるとすれば、非常に明確で透明性のある説明をする必要がある」とし、IOCが開催に向けた呼びかけを行うべきではないとした。日本のワクチン接種が遅れており、国民の開催への支持が低いことも念頭に「私たちが行くのは、誰かの国です。危機に瀕している実在の人々がいる。私たちはその国のニーズに敏感でなければいけない」と、思いやった。
同氏はコロナ感染拡大が世界的に広がった昨年3月にSNSで「大会開催を進めるのは鈍感で無責任だ」と投稿。その5日後にカナダの五輪委員会は選手派遣をしない方針を発表し、その後、東京大会は延期された。